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蝋梅の色

 

実はもうこの写真とってから1週間近く経過しています。たぶん、かなり色合いが変わってきているのではと思います。

 

次にこの色に会えるのは来年の1月以降かと思うので、楽しみにしておこうと思います。

 

こういった楽しみは、相手が植物だったり人だったり空の色だったりしますが、あればあるほど楽しいですね。今後も新たなる出会いを期待しています。

 

先日何かの拍子に、子供の頃に「小公女」を愛読していたことを思い出しました。

実家の家は古い家屋で、親は仕事やら何やらにいつも忙しく、近所に友達もおらず、活発な兄とは対照的に私は家で本を読むのが好きな小学生で、しばしば寒い寒い部屋で一人で空想の世界に浸っていた気がします。

 

小学校低学年までの間は特に、空想と現実の区別がついていなかった印象すらあります。

その後は気の合う友達ができたりして、自分の内面にばかり引きこもらなくなりましたが、何かに辛くなると、小公女の屋根裏部屋や海底二万里の海の底や里見八犬伝の武勇の世界に逃げて帰っていました。

 

最近子供が教えてくれた「近頃流行たるもの」に、Adoさんという方の「うっせえわ」という曲があって、その歌詞の内容が賛否両論(今風に言うとYoutubeのコメント欄が地獄)ということで興味深く拝聴したのですが、なかなかに素晴らしい一曲でした。

 

特に気に入ったフレーズが、「あなたが思うより健康です」でした。

きっと、怒り狂ってたり何かに攻撃的になったり逆に沈思黙考してたりすると、周りが「病んでる」と言いだす世の中における、それに対する反撃の文句かと思います。

 

異議申し立てをすること自体を回避するべし、という空気がどの程度世の中で一般的なのか、私自身は片隅にいすぎててあまり知らないのですが、たぶん濃厚なんだと思います。

 

一見世間から引っ込んでいるように見えて、その実、人から見えないところで着々と自分の世界を作っていて、淡々と自分の持てるものを大事にして育成していて、

そして時期が来たらさりげなく青空に映える色や美しさを発揮する、見てる人がいてもいなくても、という感じで展開されるストーリーが私は大好きです。

 

先ほどの歌を歌っておられるAdoさん、インタビュー記事によると

教科書で見た狂言のアド(主役のシテに対する助演の役割)という言葉からヒントを得た名前らしく、

思い出深い演目ではたいていアドだった私としては、一方的に笑 すごく親近感を覚えました。(武悪の太郎冠者、靭猿の太郎冠者など)

 

そういえば今の仕事も、主役は患者さんで、その主役の活躍に向けてうまく補助できる黒子(狂言用語では後見)でいたいと思ってやっているので、とか考えると、もっと親近感が湧きました。 

 

いろいろな人や事物事象とのたまたまの出会いが楽しいです。

 

 

 

*蛇足

テンポの良い電子音楽は聴きづらく思う方もおられると思うのですが、登坂アナウンサーが「うっせえわ 読んでみた」という歌詞を読み上げる動画を出しておられて、こちらで聞くと、NHK口調での「あなたが思うより健康です」というのが聴けます。

非常に心和みます笑